フトアゴヒゲトカゲは寒さに弱い生き物です。夏は加温せずに生活できたとしても、秋冬は保温器具を使って過ごしやすい温度を保ってあげなくてはいけません。
夏の飼育環境のままでは、フトアゴが寒さで体調を崩してしまいます
フトアゴを飼育して初めて冬を迎える方は、一緒にこの記事で冬の寒さ対策の準備をしましょう。
この記事をおすすめする人
- フトアゴ飼育初心者
- フトアゴをお迎えして初めて冬を迎える人
- フトアゴ飼育の温度管理について知りたい人
わたしは東京に住んでいます。お住まいの地域の気候、飼育環境、ケージの材質により、寒さは違ってくると思います。みなさんに合ったものを選んでみてください。
フトアゴの飼育環境は夏と冬で変える
早めの寒さ対策を
10月頃になると朝晩は肌寒くなる日もあり、夏の飼育環境のままではフトアゴが体調を崩してしまう可能性があります。本格的な冬を迎える前に、保温器具で適温を保てるようにしっかり準備をしていきましょう。
フトアゴにとって過ごしやすい温度は、ケージ内の暖かいところで35℃~40℃、涼しいところで28℃くらいです。
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乾燥する冬。湿度は気にしなくていい?
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フトアゴはオーストラリアの乾燥した地帯に住むトカゲです。乾燥には強く、湿度を上げるような管理は必要ありません。ちなみに、70%を超えるような高い湿度は苦手です。
脱皮に影響するのではないかと心配されるかもしれませんが、水を飲ませたり、野菜から水分をとったりすることもできますし、脱皮促進用のスプレーもありますよ。温浴もとても効果的ですので、定期的に行いましょう。
冬に向けて準備するもの
あたためるために必要なものは、バスキングライトと保温器具です。
- バスキングライトのW数を上げる
- 保温球をセットする
- パネルヒーターを敷く(年中使用OK)
初心者の方のためにおさらいをすると、バスキングライトは太陽光の熱の代わりになるもので、フトアゴの体を温めてくれます。保温球はケージの中を温めるものです。
バスキングライトは夏に高いW数のものを使用すると暑すぎるため、W数の低いものを設置していた方も多いかと思います。秋からだんだんと冷えるようになってきますので、足りない場合はW数を上げましょう。
夏 | 冬 | |
バスキングライト | 50W | 80W |
保温器具 | パネルヒーターのみ | パネルヒーター 保温球 (補助として暖突) |
W数の目安は、ケージのサイズにより異なりますので、環境に合ったものを選んでくださいね。
保温球については次の章で詳しくご紹介します。
冬におすすめの飼育用品
全体保温球
ケージ全体をあたためる保温器具には、
- 保温球
- セラミックヒーター
などがあります。これらの保温器具は、一日中使用します。後ほど紹介する、サーモスタットと接続して使用すると、温度が上がりすぎる心配がありません。
こちらのライトは赤外線で赤い光が出ます。商品名に「ナイト」とついていますが、昼夜兼用できます。爬虫類には赤い光は見えないとされ、眠りの妨げになることはありません。
電球の寿命は約3000時間なので、4~5ヶ月に一度の交換が必要になります。
赤い光の見え方には個体差があるようです。眠りの邪魔になっているようでしたら使用を止めたほうがいいかもしれません。
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保温球を探していたら、「集光型」と「散光型」がありました。違いってなんですか?
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「集光型」は、狭い範囲をあたためるものです。ホットスポットを作り出すものですね。ケージ内にはホットスポットというあたたかいところを部分的に作る必要があります。
「散光型」は、ケージ内全体をあたためるものです。人間でいうエアコンのように、部屋全体をあたためるものだと思ってください。
全体保温球としては、こちらのセラミックヒーターをおすすめします。球切れの心配がないことがメリットです。電球を交換する手間がありません。光を気にするフトアゴにもおすすめ。
わたしも使っています!
フォロワーさんにアンケート
Instagramで保温球についてアンケートを取ってみました。
光が出るタイプ、出ないタイプ、ほとんど半々の結果になりました。フトアゴと相談して、合ったものを選ぶのが良さそうですね。
フトアゴが眩しそうにしてたから、セラミックにしました!という方もいましたよ
サーモスタット
サーモスタットは、保温器具につないで使います。設定温度を基準に自動で保温器具の電源をON・OFFしてくれます。もし今まで使っていなかった方は、ぜひ冬の準備と一緒に用意してみてはいかがでしょうか。温度管理がグンと楽になります!
家を空ける時間が長い方は必須アイテムですね!
サーモスタットはこの2タイプがあります。
- タイマーつき…バスキングライトにも接続でき、設定した時間でON・OFFができる
- タイマーなし
わたしはタイマーなしを使っていて、ライト用には別途タイマーを用意しています。お好みで大丈夫です。
サーモスタットの使い方のポイント
サーモスタットのセンサー(温度の基準)は、一番涼しいところに設置します。
(うちの場合28℃)
パネルヒーター
パネルヒーターは、爬虫類飼育には欠かせないものです。人間でいう床暖房のようなもので、お腹を温めてくれるので、消化を促進します。
パネルヒーターは様々なサイズのものが売られています。
ケージの半分~1/3くらいの大きさのものを選びましょう
ケージ全体に敷いてしまうと、暑くなったときに逃げ場がありません
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木製ケージで、ケージの下にパネルヒーターを敷けないんです
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ケージ内に敷ける小動物用のヒーターもあります。裏表で温度が選べるタイプで、生活防水になっています。汚れがついても拭き取りやすいですよ。
▼下のリンクからご覧ください▼
温度計
温度計はみなさん設置しているかと思いますが、2つ用意することをおすすめします。フトアゴのケージは温度勾配をつける必要があるので、暖かいところと涼しいところの温度が分かるようにするためです。
両サイドに設置しましょう!
暖突は補助・予備として使用するのがおすすめ
ケージの材質や飼育環境、地域にもよりますが、ケージ内の保温を暖突だけに頼ることはあまりおすすめできません。
わたしはフトアゴ用に一度使ったことがあるのですが、あまり温度が上がらなかったので取り外しました。使うとしたら、保温球と一緒に補助的に使いましょう。
レオパの飼育では大活躍していますよ!
暖突で飼育している方もいらっしゃいますので、いろいろな飼育者さんを参考にしてみてください。
我が家の飼育環境
我が家の飼育環境はこんな感じです。
使用しているもの
- セラミックヒーター(100W)
- バスキングライト(75W)
- パネルヒーター(ピタリ適温プラス3号)
- サーモスタット(28℃設定)
ガラスケージは保温性でいうと若干弱いかもしれません。シートを貼っているので多少は保温してくれるかもしれませんが、本格的な冬を迎えて温度が保てないようでしたら、上から断熱材をかぶせる予定です。断熱材については次の章でお話します。
冬はさらに電気代がかかります。
フトアゴ飼育の電気代が気になる!って方は、「フトアゴヒゲトカゲの飼育にかかる電気代と安くする方法」を参考に読んでみてください。だいたい毎月2,000円くらいかかっているようです。
温室を作るとより保温力アップ
寒い地域にお住まいの方や、冷えやすい部屋の場合は温室を作るという方法もあります。
方法としては、断熱材でケージを覆うか、ラックごとビニールハウスのようにするやり方があります。
ケージを断熱材で覆う方法
カットできる断熱材なら、ケージに合わせて覆うことができます。
災害時の保温にも使えますよ
ラックごとビニール温室にする方法
園芸用のビニール温室を、ラックにかけてしまうやり方です。チャックで前開きなのでお世話をするときだけ開ければOK!折りたたんで収納できるのもメリットです。
サイズさえ合えば、かぶせるだけでOK!
サイズがぴったりなものを見つけるのが大変ですが、おすすめの方法のひとつです。ラックで複数飼育されている方にはいいかもしれないですね!
フォロワーさんに、犬用のケージカバーも使えると教えていただきました!
90cmケージには少し大きいですが、すごくいいアイディアですね!使わないときは畳めるし、寝るときも暗くしてあげられるから、便利です。
まとめ
いかかでしたでしょうか。
フトアゴは寒さに弱いので、快適に冬を過ごせるように環境を整えてあげましょう。ケージの材質によって保温性も異なるので、わたしのご紹介した方法がすべてではありませんが、参考になれば嬉しいです。
それでは今回の記事のまとめです。
フトアゴの寒さ対策まとめ
- 季節にあった飼育環境をつくる
- バスキングライトのW数の見直しをする
- 保温球やパネルヒーターを使用してケージ内やフトアゴをあたためる
- セラミックヒーターは球切れの心配がなくおすすめ
- 暖突のみで保温は難しい
- 温室を作るとより保温効果あり
- 地域・飼育環境・ケージの材質などにより寒さ対策は異なるので、自分に合ったものを選ぶ
Pinterestでボードを作って保存しておくとあとで確認できます
写真が多いので、レイアウトなど真似しやすいですよ!
また、フトアゴと暮らすいろいろな家族が紹介されているので、飼育用品やメンテナンス頻度など、実用的な部分がとても参考になります!
フトアゴの飼育方法について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。この記事がお役に立てれば嬉しいです。